HOME刊行物ご購入 > 権力に対峙した男 下巻
権力に対峙した男 ―新・西郷隆盛研究― 下巻

権力に対峙した男「西郷隆盛」の真実に迫る第2弾

内  容

大河ドラマ「西郷どん」でも活躍を繰り広げた明治維新の英傑・西郷隆盛をテーマに、ジャーナリスト的視点から事実の検証に挑んだシリーズ下巻。

下巻では西南戦争における西郷の最期について、当時の新聞記事や関係者の証言記録をたどりながら、西郷が「晋ドン晋ドンもうここで…」と別府晋介と会話を交わし、自刃して果てたという有名な通説に疑問を提示する。
さらに、あまり知られていない西郷死後の埋葬や供養の経緯を紹介し、史跡となっている西郷隆盛洞窟跡についてもその真偽に触れるなど、上巻に引き続き、西郷に関する通説が西南戦争関連のものも事実とは限らず、後世の活字をもとに歴史が語り継がれることを再確認する。
また、上巻で明らかにされた西郷と大久保利通の考え方の違いについて、イギリスとフランスのアジア進出にともなう主導権争いを背景に、別角度から考察する。

現在の西郷隆盛のイメージに大きな影響を与えている著名な歴史作家や戯曲の記述についても検討を加えつつ、異国人を含め、西郷の身近に居た人物の証言を交えて西郷の実像に迫ってゆく。

まえがき(本文より)

「西郷隆盛と大久保利通は、同じ鹿児島市加治屋町に生まれ、力を合わせ、明治維新を成し遂げた。二人は生涯の交誼を誓い合った仲だった」
というのが、鹿児島で育った私の認識だった。
小さい頃からそのような教育を受けてきた。鹿児島人はほとんど私と同様であろう。
しかし、史実をひもといて見えてきた二人の関係は、これまでの私の認識と違ったものであった。

二人は「刎頚の友」ではなかったのでは…。
二人は「肝胆相照らす仲」ではなかったのでは…。
結局二人は単なる「竹馬の友」でしかなかったのではないだろうか。

私は西郷隆盛の生涯を調べる過程で、次第にこのような認識を持つようになった。
二人が亡くなって百四十年経つのに、いまだに鹿児島ではあんなに仲の良かった二人なのに…という「感傷的な評価」にとどまったまま今日に至っている。
換言すれば、心情的な歴史評価が百四十年経った今も続いているということである。
あんなに仲の良かった二人。
この言葉が、真実の検証を阻害してきたのではないだろうか。

歴史の検証は、事実の積み重ねから始まる。
歴史家の海音寺潮五郎氏は、「西郷をめぐる誤った伝説が多い。信用するに足りる伝記は一冊もない」と断言している。
確かに、西郷隆盛の生涯については、多くの西郷本に根拠のない事実や美談が描かれている。そして、明治維新から百五十年の今も、それらの根拠のない事実や美談が県民や観光客らに流布されている。
ここから歴史の誤った認識が始まる。
二人の関係を美談の連鎖にとどめると我々は歴史認識を誤ることになる。
(略)

著  者

米村 秀司

1949年生まれ。1971年3月、同志社大学卒。1971年4月、KTS鹿児島テレビ放送入社。報道部長、編成業務局長、企画開発局長などを経て現在、鹿児島シティエフエム代表取締役社長。
【主な著書等】
「テレビ対談・さつま八面鏡」(鹿児島テレビ放送(編・著)、1979年10月)
「欽ちゃんの全日本仮装大賞」(日本テレビ放送網(共・編)、1983年9月)
「博学紀行・鹿児島県」(福武書店(共著)、1983年11月)
「スペインと日本」(行路社(共著)、2000年3月)
「消えた学院」(ラグーナ出版、2011年7月)
「ラジオは君を救ったか?」(ラグーナ出版、2012年6月)
「岐路に立つラジオ」(ラグーナ出版、2015年5月)
「そのときラジオは何を伝えたか」(ラグーナ出版、2016年9月)
「権力に対峙した男 ―新・西郷隆盛研究― 上巻」(ラグーナ出版、2017年9月)

目  次

まえがき

第一章  西郷と月照―入水自殺の真相と秘話
  第一話  月照の下僕・重助の証言

第二章  西郷の死の真相
  第二話  前夜の宴から死の目撃者まで
  第三話  西郷は自刃(切腹)したのか、「晋ドン晋ドン」の会話は事実か

第三章  供養の歴史
  第四話  埋葬は誰が、供養は誰が
  第五話  明治期の南洲墓地
  第六話  供養の記録
  第七話  城山洞窟の謎と陸軍弾薬庫跡

第四章  イギリスとフランスの覇権争い
  第八話  幕末日本の政情
  第九話  薩英戦争秘話
  第十話  五代友厚がつくったフランスとのつながり

第五章  西郷隆盛に接近した異国人
  第十一話  ウイリアム・ウイリスの鹿児島入り
  第十二話  フランシス・アダムスによる鹿児島の政情報告書
  第十三話  西郷隆盛とアーネスト・サトウの交遊録
  第十四話  薩摩藩英国留学生に接近したフランス
  第十五話  アーネスト・サトウが見た西南戦争

第六章  作家が描く西郷隆盛像
  第十六話  歴史作家の取材源を探る
  第十七話  松本清張の西郷批判論

第七章  戯曲に描かれた西郷隆盛
  第十八話  ラジオ・テレビ・歌舞伎に登場した西郷隆盛

第八章  西郷隆盛の実像を追う②
  第十九話  証言  西郷隆盛の実像

資料
参考文献一覧

権力に対峙した男・下巻

四六判(128×188ミリ)
/ 256頁

定価(本体2,200円+税)

ISBN 978-4-904380
-68-0 C0021

2018年3月25日発行

数  量:

送料、お支払手数料無料!


  紹介する この本について