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泣いて 笑って また泣いた  

誰もが働ける社会へ。
都会の小さな会社の物語です。

内  容

倉科透恵は都内の印刷会社で働くごく普通のOL。他の人と違うのは、彼女が統合失調症だということ。
この本は、統合失調症を発症し、外に出て電車に乗ることさえ苦痛だった彼女が、SSTへの参加を経て仕事探しを始め、様々な困難に直面しながらも彼女なりの幸せを手に入れてゆくお話。
彼女の周りで巻き起こるツッコミどころ満載の日々を、テンポ良く予測不能な文章でユーモア豊かに紡ぎ出しています。
読みながら爽やかで温かい気持ちにさせてくれる、元気をもらえる一冊です。

あとがき(本文より)

皆様初めまして。倉科透恵です。
(略)
なんで本を出すことになったのかというと、10年前に書いた30枚の短編が原点です。そのころ帚木蓬生さんの『閉鎖病棟』を読みました。
当時SSTに通っていて、私が知っている病気の人たちはもっと明るく、みんな元気そうだったので何かが違うと思いました。それで自分の話を30枚の短編で書いたのです。それを森口先生のモデルになったSSTの高森信子先生に読んでもらいました。
それがこの本になる原稿の元です。
7年後、小説の書き方の本『売れる作家の全技術』(大沢在昌著)に出逢います。この本を読みながら小説を書いてみたいと思い、昔書いた30枚の短編を思いだしました。
30枚を200枚に書き直してある新人賞に応募。しかしあっけなく落ちました。
誰にも言わずに書いて応募したので誰にも言えずに落ち込んでしまいました。3年前のことでした。
読み返したらヘタクソだったんで、これは落ちるなと思いました。再度書き直し、今度は誰かにみてもらおうと思いました。読んでもらった社長には酷評され、また新人賞に応募したら、 一次すら通りませんでした。
夏は終わって秋になり、傷が癒えたある日、はあちゅうさんというカリスマブロガーと呼ばれる人のブログで事態を急展開させる記事を読んだんです。そこでは、数百円で本が作れるサイトを紹介していました。One Booksというサイトです。
自分で装丁して、フォトショップでデータ入稿しなければいけません。原稿は本一冊分あります。自費出版で本にしようと思いました。はあちゅうさんに感謝です。
(略)
いつかお会いしたときに本を渡してお礼が言いたいです。

もう一人、本を見せたかったのが、SSTの高森先生です。
本は文庫本にして、高森先生の言葉を帯につけました。表紙はモノクロで白地に黒で文字だけです。シンプルにしました。そういうデザインが好きなんです。一冊756円で製作することができ、最初五冊作りました。先生にも誕生日に贈ることができました。
その後、読みたいという人が増えて、十冊、二十冊、三十冊と増刷しました。

ある日、ラグーナ出版さんのことを知り、自費出版について問い合わせしました。
(略)
本ができる10年間、いろんな人にお世話になりました。
皆さん、勝手にモデルにしてすいません。モデルになったのは私が勤める会社です。
落選した頃はものすごく落ち込みましたが、一年後にはいいことがありました。
自費出版した本はいろんな人のもとに行き、今回の出版のきっかけを作ってくれました。今、つらい人も一年後にはいいことがあるかもしれません。
生きることはつらいかもしれませんが、生きているだけで立派です。
本文中の森口先生のお言葉です。
病気をオープンにしたり、クローズにしたりで働いている方は大変だし、周りの方も大変です。
働くということは大変ですが、誰かの役に立っています。
私も東京の片隅で会社の人たちと名刺作っています。
その名刺が誰かの役に立つと思っています。

著  者

倉科 透恵(くらしな ゆきえ)

東京都出身。統合失調症を抱えながら、都内の印刷会社で働いている。
大人になってもキティとリラックマが好き。
神社めぐりが好きで、御朱印集めにハマってしまった。

目  次

1.トナカイたちと働く

  リラックマ
  ブランチュール
  通院
  電車
  SST
  谷中

2.ハーフボイルドな女社長

  就活
  引田天功
  カスタネット勤務
  カミングアウト

3.乳酸菌LOVE

  味噌の困惑
  泣いて、泣いて、また眠る
  ケバブ屋
  朝食会
  デザイン学校

4.うれしくて、うれしくて

  都市伝説
  槍と氷山
  傍楽

5.泣いて、笑って、また泣いた

  鬱再び
  どら焼き
  脳タイプ
  七福神巡り
  人の物欲は四十八時間

あとがき

泣いて 笑って また泣いた

四六判(128×188ミリ)
/ 196頁

定価(本体1200円+税)

ISBN 978-4-904380-
45-1 C0095

2015年10月22日発行

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