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「シナプスの笑い11号」では、新しく決まった会社のマスコットを表紙に掲載しました。

今月号の総説

コーナー 作  品
特 集

「対人関係をSSTで語ってみた」
SSTとは社会生活技能訓練のことで、さまざまな練習などを通して社会生活における技能の向上を目的として行われている。精神病を抱えていると偏見や病気の妄想などで対人関係が難しくなるということが課題。性格的に無口な人でも相手の話を上手に聞くことで円滑な人間関係が築けるのではないかという提案で、あいづちや表情、目線、ジェスチャーなどを取り入れて話を聞く訓練を行う。

「書評: 『風の歌を聴きながら』  中井久夫 」
真珠を真珠貝が作るに似た人生の営みを短歌にのせて
小社刊行自伝エッセイ集「風の歌を聴きながら」についての書評を、精神科医※1中井久夫氏が寄稿してくださった。この本はヒューマンドキュメントであり、文に添えられた和歌は情緒を与え、著者にはヒマワリの花のような「向日性」があると賛辞している。病気が人を豊かにすることもあるという言葉が、同じく病気を抱えた人に勇気を与える。

「書評: 『風の歌を聴きながら』  篠原三郎 」
Tさんへの手紙

元日本福祉大学経済学部教授・歌人の※2篠原三郎氏が寄稿してくだった。この本は社会的な問題として統合失調症を考えるよい機会であると語ってる。

「ガン病棟」
ガン検診で引っかかってしまった東瀬戸氏が、病院での再検査をユーモアのある鹿児島弁や心を詠みこんだ短歌を交えつづったエッセイ。

連 載

「噴飯!妄想天国」
15歳の少年がいじめにあい不登校、引きこもりの生活になってテレビを見ているが、彼の頭の中ではものすごい妄想が渦巻いている様子が描かれている。

「やどかり姫」
第3話では統合失調症になったやどかり姫が入院生活でSSTというものに初めて参加し、そこで出会った人との心の交流が描かれている。

「終着駅」
最終話は、静養しつつ小説を書くことで少しずつまた新たな人生を歩み始める主人公のお話。

企 画

「変だな…と思った時に」
第五回スクールカウンセラー編。スクールカウンセラー榎添利光氏に話を伺った。不登校になってしまった児童に対し励ましのメッセージをおくっている。

「視線恐怖って何?」
第三章最終回。途方にくれていた著者が回復の道を歩むまでをわかりやすく解説。視線恐怖の症状と対処法を記載。

「ノンフィクション精神科辞典」
「幻聴」「健康」「権利」「限界」「元気」「コミニュケーション」「故郷」「幸運」「コーヒー」「心」「差別」「才能」「サイン」「散歩」「最後」を解説。

投 稿

「初めて統合失調症になった人に-私の体験から-」
さまざまな苦労を体験しながらも前向きに明るく生きる体験談の最終話。

「悩める心の風景を読んで」
精神障害者サポートセンターの非常勤スタッフの方の作品の書評。作品は日記風になっている。長い作品から興味深い部分をピックアップ。精神障がい者の日常がリアルに描かれている。

※1 中井 久夫
来歴・人物 [編集]奈良県天理市生まれ兵庫県宝塚市、伊丹市で育つ。
1952年に京都大学法学部に入学し、1955年、同大学医学部医学科に移り1959年に卒業。ウイルス研究をしていたが、その後、病院で勤務し東大医学部附属病院分院で精神科に転向した。
1975年より名古屋市立大学医学部の助教授に就任。1980年から神戸大学医学部教授。1997年に退職後は甲南大学文学部教授。阪神大震災後に設立された兵庫県立こころのケアセンターの初代所長を務めた。ひょうご被害者支援センター理事長、神戸大学名誉教授、甲南大学名誉教授。専門は統合失調症の治療法研究。

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※2 篠原 三郎
1930年、東京に生まれる。一橋大学卒業。元・日本福祉大学教員。社会文化学会会員、大学評価学会会員。専攻はジェンダー論、現代管理社会論。1990年第6回「朝日歌壇賞」受賞。

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精神障がい体験者からの作品解説

作品名:「座談会:対人関係をSSTで語ってみた」
解説者のせ(「シナプスの笑い」編集部所属。今回の座談会にも参加)

私(のせ)は、平成8年に精神病を発症し、紆余曲折を経て、平成21年10月にラグーナ出版編集部に入社。今回が初めての座談会だった。

内容は、最初に、体験者から課題を出し、質問し合って状況を明らかにし、対処法をみんなで挙げていく。そのなかから具体的にできることを課題を挙げた者が選び、ロールプレイを通して練習する。課題には、「無口で周りから嫌われているのではないか?」「もう一人の自分が会話している」「親は自分のことをどう思っているか」「この病気になってから友人に連絡をする時気が引けてしまう」が挙げられた。会では積極的にみんなが発言していたが、他人や家族との接し方は消極的な人もおり、十人十色であると思った。

入院した当初の患者さんとの対人関係に思いを出せば、「見た目が怖いな」と思い、話すことができなかった。しかし、次第に慣れて挨拶を交わし、人によっては多岐にわたる話をすることができるようになった。

さて、親との関係だが、私は父に怒られてばかりいる有様である。母も母で「薬飲んだ?」が口癖で、一人暮らしの私が家を訪ねれば、生来の熊本弁で「早よ、帰んなっせ」を連続して言う。つっけんどんなのである。この特集では、特に親との接し方について悩んでいる人に読んでほしい。

目 次

第Ⅰ部 特集
座談会:対人関係をSSTで語ってみた
『風の歌を聴きながら』紹介
書評:真珠が真珠を作るに似た人生の営みを短歌にのせて(中井久夫)/Tさんへの手紙 (篠原三郎)
エッセイ:ガン病棟(東瀬戸サダエ)

第Ⅱ部 連載
体験記:妄想からの帰還をえがく 妄想天国(ジタン)
漫画:やどかり姫(星礼菜)
小説:-イマココまで千年の旅が始まる-「れんげを摘む日」(中原初音)/-彼を探す旅が始まる-「終着駅」(日向葵)
詩:時間(石橋勝)
ショット:リアル/足/奴隷/ファンタジー/エネルギー(竜人)
「精神科の病気についてⅠ」

第Ⅲ部 企画
「視線恐怖って何?」(四朗)
「変だな…と思った時に」 スクールカウンセラー編
ノンフィクション精神科事典[体験者版](竜人編) け~さ
「禁パチへの文集」(大ちゃん)
「精神科の病気についてⅡ」

第Ⅳ部 投稿
小説:「桜の体温」(水城古都)
体験記:人には人の物語-病を生きる人々②-はじめて統合失調症になった人に-私の体験から-(K)
ブログ:神様は、サーフボードに乗って…(KYOKO)
体験記:嫌な波との付き合い方について(田中毅)/道を歩む(青山恵美子)
エッセイ:散歩はよかよお(田中研一)
小説:「東くんはこう考えた」(パスタマン)
エッセイ:愛するナースのやさしさ(山中啓之)/退院延長(迫茂)
体験記:30回の転職(早川竜太郎)/病を越えデイケアに参加しての所感(マリア)
小説:「初めての恋」第一話(大仏様)
書:地獄が天国に変わるしゅんかんすべては心しだいです(松井浩二)
短歌:(作道修)
俳句:(池ノ上弘)(藤島範孝)
詩:雪桜(HIDE)/ノンタイトル(はるか)/知りたいな(栗ちゃん)/果実ほうばる(JD)/不幸な気持ち/うらはら(ウナム)/空の気のまま(ゆめびと)/人生暦(天草の空花)/ICU/苦しみの緩和(菅野直彦)
書評:投稿作品「悩める心の風景」を読んで(ウナム)

シナプスの笑い第11号

A5判(148×210ミリ)
/ 128頁

定価(本体762円+税)

ISBN 978-4-904380-
03-1 C0093

2010年6月1日発行

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